審査なしで即日融資できるのか検証!
すべての金融業者は、借入の契約の際には審査をします。即日融資をうたっている業者でも必ず審査があり、否決されたら融資を受けることはできません。もし「審査なしで即日融資」という業者があったら、それは正規の業者ではなく闇金です。
「即日融資審査甘い」業者は、存在しません。
審査なしで即日融資というローン商品は存在しない
業者が審査をする理由
返済能力があるかチェックしている
カードローンなどの個人向け融資を提供している業者・銀行は貸したお金に利息をつけて返済してもらわないと、利益があげられず経営が成立しません。そのため、誰にでもローンを提供するのではなく、返済能力があってしっかりと最後まで返済してくれる人を見極める必要があります。
返済能力のない人に貸してもお金は返ってきません。返済できる人に融資して、利息を付けて返済してもらうというのが金融業の基本です。
返済能力は、一時的にお金がある人ではなく毎月継続して返済をできる状態にあることを指します。その人の年収だけでなく独身なのか既婚か、一人暮らしなのか家族との同居なのかなど、様々な要因によって返済能力には個人差が生じます。
同じ月給でも、賃貸物件に住んでいる場合と、実家暮らしで賃料が発生しない場合では返済能力は異なります。審査はこの返済能力を見極めるために実施されるものです。
総量規制に抵触していないかチェックしている
貸金業法には、借金苦に陥る人を増やさないために「総量規制」という規定を設けられています。
総量規制は、「個人の借入額の合計をその人の年収の3分の1までに制限する」というルールです。個人の過剰な借入を防ぐための規制です。
業者は審査で何を見ているか
業者が審査でチェックしているものとして、年収や雇用形態があります。通常の審査ではコンピューターを使ったスコアリングによる自動審査です。
性別や年齢、年収、雇用形態などを入力すると、機械が自動的に過去のデータと申込者のデータを比較して、この人にお金を貸して返済してもらえるのかを判断します。
信用情報は、個人のカードローンやクレジットカード、分割払いなどの利用履歴のことです。国内にある3つの情報機関が管理しています。
過去や現在にカードローンやクレジットカードの返済で問題がなければ良好なクレジットヒストリーを持っていると判断され、長期の延滞や自己破産といった債務整理があれば信用情報において不利とされます。
申し込みの際に、他の業者で何件借入しているか、借入の総額はいくらかというのも、審査に大きく影響します。個人の借入額は年収の3分の1までと制限する総量規制がありますし、4件以上のカードローンを利用しているとき、かなりお金に困っている人と判断されてマイナスの評価を受けます。
審査をするにあたって、申し込みした人が本人であることを確認するために、本人確認となる書類を提示します。運転免許証やパスポート、住基カードなど「その本人でないと持っていないもの」であって、公的な書類となるものを確認して審査を行います。
一般的に審査の最終段階で行われるのが在籍確認です。申告した通りの場所に本人が働いているかどうかを確認する作業です。通常は金融機関の名前ではなく個人名で職場に電話で連絡します。
審査なし業者は間違いなく闇金
もし、審査がない業者があったら、それはほぼ「闇金」と呼ばれる悪質な業者です。審査したうえで貸出することは貸金業法においても規定されており、もし違反したら厳しい罰則があるからです。
正規に登録している業者であれば、どれだけ小規模経営の業者であっても必ず審査を実施します。闇金は正規の業者としての登録を受けていない違法業者であるため、法律は守りません。法外な高金利で貸出して、脅しや恫喝などをして違法な取り立てを行って利用者からお金を騙し取ります。
「審査なし」「無審査で貸します」などとうたっている業者はほぼ100%闇金です。怪しいと思ったら、いったん話をストップして正規業者かどうかを確認しましょう。
金融庁のサイトには登録貸金業者情報検索サービスというツールが用意されています。誰でも無料で使うことができますので検索して調べてみましょう。
審査なし・即日融資の闇金の手口とは
表向きは正規の業者のフリをする
闇金は「審査なしで即日融資」を売り文句にして、お金に困っている人に近づきます。大手の消費者金融業者と似たような名前を使ったり、フリーダイヤルを用意したりして気軽に連絡できそうな雰囲気を作ります。
また、雑誌や週刊誌、インターネット、融資掲示板などを巧みに使って正規の業者のフリをして騙そうと狙ってきます。
普通の精神状態なら、「審査もなく即日で融資などはあり得ない」と判断できる人でも、お金に困っているときには正常な判断力を失います。このとき、闇金につい手を出してしまうことになりかねません。
近年では闇金被害もネットで拡散されるようになり、「正規の業者なら登録番号を表示している」という判別方法が知られるようになりました。ここでも、闇金は正規の消費者金融業者のフリをして、登録番号を公式サイトに記載することもします。
この番号は他の正規業者のものを流用しているだけで、実際に調べてみるとまったく別の名称の業者が表示されます。表向きは正規の業者と見分けがつかないため、闇金と気づかずに連絡先を教えてしまったり、お金を借りてしまったりすると後から面倒なことになります。
つい手を出したくなるような宣伝
貸金業法にのっとっている業者は、以下のように法律で定められている項目を遵守しています。
- 利用者の年収の3分の1を超えた融資はしない。
- 借入額が50万円を超えるとき、または他社との借入額の総額が100万円を超えるときには収入証明書を確認する。
- 金利は利息制限法の範囲内で適用する(年率15%~20%)。
このため、たとえば年収が300万円の人がすでに100万円を貸金業者から借りているとき、新たな借入契約は結ぶことができません。また、どれだけの額を借りようと金利が年率20%を超えることはありません。
「もうこれ以上の額を借りることができない」と思うときに審査なしで即日融資してくれるところはないか考えてしまうものです。こういった心の隙を闇金業者は狙ってきます。
- 年収の3分の1以上の貸付も大丈夫。
- 誰でも高額融資が可能。
- 無審査で即日融資可能。
以上のような宣伝文句は、正規の業者から借りられない人にとっては、つい手を出したくなくものでしょう。
近年では「ソフト闇金」という業者もあり、闇金とは思えないような親切な対応をしてくれます。少し借りるだけなら大丈夫だろうと思ってしまうこともあるでしょう。
個人情報を売却する
闇金の狙いのひとつが、電話を掛けてきたり店舗にやってきたりする人の個人情報を入手することです。運転免許証やパスポートのコピーを入手して、後はお金を貸すかどうかは闇金次第です。即日融資といっておきながら、なかなか貸さないということもします。
闇金としては、「お金に困っている人」の個人情報は売り物になるものです。うっかり本名や生年月日、住所、勤務先などを知られてしまうと、それは別の違法な会社へ売り渡されます。いったん闇金に個人情報を知られると、次々に違法会社から連絡が来るようになります。
闇金に騙された人として、裏社会で売買される対象となり、多くの不利益をこうむることになります。ある意味、最も危険なのが個人情報の伝達です。裏社会に出回った個人情報はいつまでも残り、何年にもわたって苦しめられることになります。
完済させない
闇金が良く使う手口が「完済させない」という方法です。
事前連絡させない。
闇金が使う返済方法は、返済するときに事前に連絡をさせるというものです。ところが、返済するときに電話をしてもつながらない、担当者が不在などの理由をつけて返済をさせません。
後日になって「返済日に連絡がなかったので、延滞分の利息を支払え」と言ってきます。このときの金利は法定金利を遥かに超える高金利です。いわゆる「トイチ」と呼ばれる異常な高金利もあります。10日で1割という、法定金利を遥かに超える金利です。
返済口座を伝えない
返済の期限を過ぎるまで返済口座を教えないという手口もあります。返済する口座がわからないので返済に遅れます。ここでも利息分だけ支払うように言われて、元金は返済できません。いつまで経っても利息だけを延々と支払うことをさせられます。
整理屋・紹介屋
闇金のなかには、なかなか返済させずに債務整理を持ちかけて高額な手数料を騙しとるという手口を使うところもあります。こういった闇金を「整理屋」と呼びます。
多重債務状態から脱するためには、弁護士や司法書士に依頼することになりますが、この依頼費用が安いなどといって勧誘してきます。結局は誰も紹介してもらえることもなく、手数料だけを騙し取られます。
また、融資先を紹介するといって、手数料を騙し取る「紹介屋」という闇金もあります。連絡すると高金利で貸し付ける業者を紹介したり、まったく契約することのできない消費者金融業者を紹介したり、個人情報を聞き出して別の闇金に売り渡したりという違法な行為を行います。
審査なしで即日融資を受けたい人がやるべきこと
セルフチェックしてみよう
審査なし・即日融資を希望しているということは、自分はどの業者の審査も通らないと思い込んでいるだけの可能性もあります。いったんセルフチェックしてみましょう。
消費者金融業者の審査で判断材料となるのは、以下のようなものです。
多くの業者では、20歳以上69歳以下という年齢制限を設けています。この範囲内であれば申し込みできますが、若いほうが有利であることは確かです。通常、65歳以上で年金しか収入がない人は消費者金融業者では申し込めません。ただ、一部の業者や銀行では年金受給者でも貸付ますので、良く調べてみましょう。
無職でなければ消費者金融業者に申し込める可能性があります。正社員や公務員といった安定性のある職業であるに越したことはありませんが、パートやアルバイトでも申し込めます。勤続年数は一般的には半年から1年程度とされていますが、業者によっては1回月給をもらっていれば良いというところもあります。
一般的には、消費者金融業者で借入するには少なくとも年収は100万円以上が必要と言われています。年齢制限に適合しており、勤務している実態があって年収が100万円以上あるなら、借入契約をすることは不可能ではありません。
返済手段を確保する
消費者金融業者が申込者の属性として重視するのは返済能力です。貸したお金を利子を付けて返済できるかどうかを審査によって見極めます。この点で自信のない人も多いでしょう。申し込み条件として「安定した継続的な収入」を掲げている業者がほとんどです。
このときの「安定」「継続的」をどの程度と判断するかという問題があります。確実に審査に通過するには6ヶ月程度は勤務しておきたいところです。このとき、正社員であるかアルバイトであるかは問いません。あくまで連続して勤務しているかどうかが問題です。
社員として働いているわけではないが、いくつかのアルバイトを掛け持ちしている人もいるでしょう。こういったときには最も勤続年数が長いものを勤務先として申請しましょう。
勤務が短いという人も、業者への相談次第で契約できることがあります。なかには、勤務を始めた初日に申し込みして審査に通るというケースもあります。業者のフリーダイヤルに連絡して問い合わせてみましょう。少額の契約なら審査通過できることがあります。
借入希望額を少なめにする
返済能力は、収入があるかどうかだけで判定されるわけではありません。お金を管理する能力も返済能力に関わります。自分にどの程度の収入があり、そこからいくらなら返済できるのか判断できることも、返済能力の一部です。
そのため、自分の収入に対してあまりに高額を申し込みで希望すると、その判断能力を疑問視されます。
毎月の給与が25万円の人が、すでに50万円を借入しているとき、100万円を希望額として申し込んだら、「この人は毎月どうやって返済するつもりなのか」「毎月の生活が困ると考えないのだろうか」などとお金に関する感覚がないと判断されるでしょう。
逆に、審査が不安な人は希望額を少なめにすると審査で好印象になります。
100万円の年収でも、たとえば希望額を10万円程度にして申し込めば、信用情報などに問題がなければ審査には通ります。アルバイト収入だけの人は、希望額50万円以下を目安にして申し込みましょう。実績が蓄積されると増額の希望も通るようになります。
正規の業者で即日融資を受ける
審査なしでお金を借りる方法を考えている人は、何らかの事情を抱えている人でしょう。ただ、無審査でお金を借りることはできませんし、即日融資の業者なら正規の業者でないとほとんど不可能です。
審査なしで即日融資するという業者があったら、ほぼ100%闇金です。どのような状況であっても絶対に利用すべきではありません。
仕事に就いていて収入があるという状態であれば、信用情報に多少の傷がある程度であれば消費者金融業者の審査に通る可能性があります。大手の業者で断られた人でも、中小の業者なら借りられることは珍しくありません。中小の業者でも即日融資を受けられるところもあります。
大手の業者は公式サイトに「簡単診断」「10秒診断」などといった簡易的な審査のページを設置しています。まずはここで診断してみましょう。「お借入できる可能性があります」と表示されたら、審査に通る可能性があります。
もし、その業者で審査に通らなくても別の業者なら借りられるかもしれません。1ヶ月のうちに3件以上の申し込みをすると「申込ブラック」という状態になって、申し込んだだけで即否決されるので注意が必要ですが、良く検討して自分の条件で受け入れてくれそうな業者を探してみましょう。
まとめ
即日融資で審査なしという業者があったら、ほぼ闇金と考えていいでしょう。闇金はいったん手を出すと後から厄介なことになります。正規の業者で条件に見合ったところ探しましょう。